ストリートスマート(以下、「弊社」)は、「テクノロジーと『人』をつなげる」をミッションに、企業のクラウドツール導入や活用推進を行っています。今回は、2017年から Google Workspace の活用推進をサポートさせていただいている株式会社クボタへインタビューを実施し、支援によりどのような変化があったのか、その効果をお伺いしました。是非ご覧ください。
目次
株式会社クボタのご紹介
生活に欠かせない食料・水・環境の領域において、人々の食を支える農業ソリューション、安全な水を届け再生する水環境ソリューション、快適な生活や産業を支える環境ソリューションと幅広く事業を展開。現場の声に徹底的に耳を傾け、顧客の真のニーズを形にする現場主義を大切にしながら、地球規模の社会課題の解決に取り組まれています。
株式会社クボタ 農機国内営業本部へは、2017年から Google Workspace 活用推進をご支援させていただいており、2019年からはクボタグループの農機ディーラー各社への導入、活用推進の支援も開始しました。
今回は、農機ディーラー各社への Google Workspace 活用推進をご担当されている農機国内営業本部の轟様にお話を伺いました。
<プロフィール>
農機国内営業本部
営業生産性向上推進室
室長 轟 晋 氏
導入だけで活用は進まない。スピード感ある Google Workspace 活用推進のためコンサルティングを利用
ークボタグループの農機ディーラー各社に Google Workspace 導入が決まった経緯を教えてください。
轟氏:クボタ本社で Google Workspace を導入する前は、国内外の関連会社でコミュニケーションツールがバラバラでした。業務効率化のため、コミュニケーションツールを統一しようと2013年に Google Workspace を導入し、Gmail の利用から始まりました。農機国内営業本部として、Google のサービスをもっと活用したいとストリートスマートのコンサルティングを導入した2017年ごろからは、Gmail だけではなく資料の共有に適した Google ドキュメントや Google スプレッドシートの活用が進み、業務効率化に繋がりました。
今回、全国13社の農機ディーラーにも Google Workspace が導入されたのは、農機国内営業本部と農機ディーラー各社には密接な関係があり、コミュニケーションの効率化が生産性の向上に直結すると考えたからです。
ー関連会社がたくさんある大企業ならではの課題があったんですね。農機ディーラー各社の Google Workspace 導入に弊社の支援を採用していただいた理由は何でしょうか?
轟氏:クボタ本社で Google Workspace を導入した後、Gmail 以外のアプリの利用がなかなか進まず、試行錯誤の結果、プロの知見で課題を解決しようとストリートスマートのコンサルティングサービスを採用し、活用が進みました。その経験から、ツールを導入しただけでは使われる機能が限定され、Google Workspace の導入効果を十分には得られにくいということが肌感覚としてありました。
農機ディーラー各社へは、クボタ本社(農機国内営業本部)の意向で導入を決めたこともあり、活用推進のサポートをしない状態では使われない可能性があることを想定し、農機国内営業本部の支援から継続してストリートスマートにコンサルティングを依頼しました。
スタッフの業務に合わせた研修を実施。ボトムアップを目指す
ー導入にあたっての課題はどんなことがありましたか?
轟氏:2019年のタイミングでは農機ディーラー各社にはまだまだ変えるのが難しいアナログ業務が残っていました。
メールやデジタルツールの活用ももちろんありますが、コミュニケーションツールは電話がメインで、注文業務に使うものはFAX。農機ディーラー各社から各営業所への通達にもFAXが使われていました。「農機」という業界には、電話・FAX・手書き文化が根強く残っており、その文化を変える必要があることが課題でした。
そんな状態でしたので、新しいデジタルツールを展開するということは、とてもパワーを要することでした。
ー業務でまだまだアナログの内容が多かったのですね。導入にあたって、実施された施策を教えてください。
轟氏:ストリートスマートに支援いただき、農機ディーラー各社への説明会・研修を開催いたしました。そこで、展開にあたっての注意点などを丁寧に説明したうえで、順次切り替えを実施しました。
導入後にも、活用のための研修を30~40回実施しています。
農機ディーラー各社の Google Workspace アカウントは約7000ありますが、説明会・研修には延べ約1200の参加があり、ユニーク人数としては約500人が参加していました。
ー活用研修にはたくさんの方にご参加いただきました。
轟氏:農機ディーラー各社のシステム管理者の方に漠然と「Excelの代わりに Google スプレッドシート」「FAXの代わりに Google フォーム」と伝え、それをスタッフに指示いただいても、既存のツールでできていた業務を、便利な機能があるからと説明するだけでは使われないのが実情です。
農機ディーラー各社のキーマンとなる担当者がスタッフに使い方を伝えることにもそれなりのパワーが必要ですし、その方々もいろいろな業務に追われていて、なかなか Google Workspace の活用促進に時間を割けません。
組織としてはトップダウンで展開することも有効ですが、今回の Google Workspace 活用推進に関しては早いタイミングで「便利な機能が業務に使える」という気付きを得ていただくため、現場スタッフの業務に合わせた説明会を開催し、直接的な働きかけに力を入れました。「この集計業務には Google スプレッドシートが使える」「FAXで各拠点に配信・集計していた業務は Google フォームでできる」と、自分の業務に置き換えて考えていただけるようになったと思います。
また、農機ディーラー各社のセールススタッフや機械修理のサービススタッフは1人1台パソコンを持っている環境ばかりではなく、一方で営業支援ソフトをスマートフォンを導入して行っている状態でしたので、スマートフォンで Google Workspace のアプリを使いやすくするための説明などにも注力していただきました。
「メールアドレスは必ず必要なのか?」「顧客対応にデジタルは馴染まない」という価値観が続いて業務が行われていた環境だったので、セールススタッフの方にはパソコンを一から学んでもらうより、使い慣れたスマートフォンで営業活動の記録・報告をできるようにと考えました。
「ITスキルチェック」を取り入れて、Google Workspace 活用への高い意識の継続を狙う
ーその他に弊社の支援で効果的だと感じたものはありますか?
轟氏:カスタマイズされた Google Workspace のマニュアルやスキルマップ、ITスキルチェックなどさまざまなコンテンツを提供いただきました。「ITスキルチェック」は、研修後の定着判断や新入社員のスキル到達チェック、異動時の新しい業務へのスキルチェック等、利用するタイミングは多岐に渡り、それぞれの弱点を補う目的で実施してもらっています。
Google Workspace に限らずどんなシステムも、導入時には様々な研修があり、一時的に盛り上がることが多いのですが、何年か経ち牽引する担当者がいなくなったら社員の熱意や興味が一気に萎んでしまう、ということがあります。そうならないよう、Google Workspace に対する意識の高い状態を継続させるためにITスキルチェックを活用してもらおうと思って、準備をお願いしました。
クボタグループの農機ディーラー各社に Google Workspace を導入して得られた3つの効果
ー農機ディーラー各社に Google Workspace を導入して良かったと感じている点は何でしょうか?
轟氏:まずは Gmail の活用が進んだこと、そして Google Meet が使えるようになったことですね。Google Meet がなかったらコロナ禍を乗り切れなかったと思います。
ビデオ会議ができるようになったことで、距離と時間の制約がなくなりました。
コロナ禍以前は、クボタグループ全体で出張対面が基本という風土があり、出張回数はものすごく多かったので、正に実質的な効果です。
農機ディーラー各社内の会議もそれぞれの本社で実施されていました。会議があると各拠点の管理職等が本社に集まって印刷された資料を持ち帰り、各自の拠点でまたコピーして配布する、ということが当たり前でした。
実際にビデオ会議の効率性を体験し、研修や少人数の意見交換にも Google Meet が活用されるような流れができていきました。
また、Google Meet をきっかけに他のアプリの利用にも繋がりました。
クボタ本社の社員がビデオ会議中に画面共有で Google スプレッドシートを見せたり、Google ドライブでデータを保存したり、コメント機能を使ったりすることで、農機ディーラー各社のスタッフも機能の便利さを目の当たりにするので、それをきっかけに使うようになったという声も聞いています。
長年使っている複雑な関数が組み込まれたExcelなどは無理に置き換えないのですが、新しく集計表や資料を作成するときは、共同編集や履歴の管理ができる Google Workspace のアプリを使う方も出てきたと感じています。
2つ目として、道半ばではありますが、サーバー管理の負担が減ったことが効果としてあります。各社システム管理者にとっても自社サーバー管理の負担は大きいので、Google ドライブへの移行が進めば負担が減ります。クボタ本社は2022年1月に Google ドライブに全て切り替えましたが、農機ディーラーも既に数社は切り替えを完了しています。
3つ目が、採用の観点でも企業価値が向上したことです。
アナログ文化が若い人にどう映るか、ということを考えたときに、あたたかい・面白い、と感じてもらう反面、魅力的でない、と言われてしまうこともあります。生産性・効率の改善に繋げるとともに、デジタルツールが当たり前のものとして使われている職場環境にすることで、求職者からの企業イメージ向上にも貢献できると思います。
二人三脚で活用推進に取り組むことで確実なスキルの底上げに
ー弊社の支援で良かった点はどんなところですか?
轟氏:凄く応えようとしてくれるところですね。
クボタでの Google Workspace 活用状況を見て、「それならこういうところからやっていきましょう」と提案してくれました。
私がグループに足りない部分ばかり見えてしまったときも、客観的に良くなった点を教え、支えてくれました。1人で取り組んでいたら、なかなかすぐには実績として現れないということもあり、気持ちが折れてしまったかもしれません。
導入から活用まで、手を変え品を変え底上げしようと取り組めたのはストリートスマートとの定期意見交換や提案、相談に対する親身な回答があったからこそだと思っています。
ー今後の展望を教えてください。
轟氏:クボタグループのスタッフの方々に、クボタグループで働いていてよかったと思ってもらいたいと考えています。創業130年を超える経営が安定した企業だからこそ、働く環境への投資もできます。
Google Workspace は生産性をあげるツールなので、導入されたならば活用しなければもったいないと考えています。便利だなと思うところから備わっているものを使っていく習慣をより強固にしていきたいです。
農機ディーラー各社のスタッフの皆さんに期待しているのは、Google Workspace の導入というきっかけから自分の業務をより良くしたいと思っていただくことです。
今まで通りのことをやる方が楽ではありますが、もう一歩先のことを考えて、少し負荷をかけて新しい土台を作る。そういった新しいアイデアを出そうと思っていただくことが、本質的な効率化に繋がります。
本社・グループ会社ともに、コミュニケーションの本来の目的は見失わず、良いところは取り入れてより生産性を向上させていきたいですね。
ーこの度はお時間をいただきありがとうございました。本日のお話を参考に、より良いサービスをご提供できるよう努めてまいります。
※Google Workspace 、Gmail、Google ドキュメント、 Google スプレッドシート、Google フォーム、Google Meet および Googleドライブは、Google LLC の商標です。
導入事例
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Google Workspace の導入・活用促進に関するご相談はストリートスマートへ
弊社は、2014年に Google トレーニングパートナーとして認定され、お客様への支援実績と技術力を認定する Google Cloud Partner Advantage プログラムでは、2021年に Work Transformation(働き方の変革)分野のスペシャライゼーション認定を取得。3,000社以上の企業様への支援実績があります。
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