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ワークスタイル変革コラム

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ワークスタイル変革を書籍から学ぶ『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』

今回は、株式会社ランクアップの岩崎社長の初の書籍『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』(インプレス、2016年、岩崎裕美子氏)についてご紹介します。

早速ですが、この動画を見たことがあるでしょうか。Google が、柔軟な働き方で女性の社会進出を支援するプロジェクトWomen Willの一環として、女性の仕事復帰を応援するアイデアを広く募集する「 #HappyBackToWork 」 という企画で話題となった動画です。

実は、動画に登場する「モモさん」は、このランクアップ社に勤めています。

17時に帰ってもいい制度や、女性が長く働ける会社を実現していて話題の同社ですが、実はいまの形になるまでには長い「暗黒時代」があったといいます。今回は、ランクアップ社の社長である岩崎社長著の『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』をご紹介したいと思います。

本のあらすじ

昨年、設立10年を迎えたランクアップ社についての内容が主ですが、岩崎氏の以前の会社の働き方、働くことをどのように考えていたか、からストーリーは始まります。「残業しない社員はいらないと思っていた」という岩崎氏が、新しい会社で定時退社を推奨し、考え抜いて導入した働き方の改革案の数々、しかしより大きくなった役員と社員の溝、、葛藤とそれをどのように越えて前に進み続けたのかがリアルに綴られています。
また、各章の合間合間に、実際のランクアップ社の制度紹介もあり、さくさく読み進められる構成になっています。

本の中から変革のヒントをご紹介

実際のエピソードに沿って語られるので、リアリティがあって、すべてが参考になるのですが、その中でも「なるほど」「そんな視点はなかった!」「こんなことやっているんだ!」など弊社で特に気になった点をいくつかご紹介します。

①制度だけではだめ、、?「理念教育」を徹底するべし

岩崎氏は、前職の長時間労働の経験から、ランクアップ社の創業時より残業を原則禁止し、福利厚生を充実させました。これで「いい会社」になると思っていたのですが、、実は制度の充実だけでは、本当に女性が長く働きたい、働ける会社をつくることはできませんでした。むしろ社員には、会社として何が実現したいのかわからない、、と言われてしまう状況。そこで、会社の思いを社員に徹底的に伝えることに力を入れ出します。理念合宿も定期的に実施し、実に2年という時間をかけて、浸透していきました。

会社の理念、それが文化として醸成するのは、やはり一朝一夕の話ではありません。労力も時間もかかりますが、やっぱりそれが無くては進めなかったということが同社の例から伝わってきます、、。合宿のみならず、様々な研修やワークショップも試されているので、自社にあったものを選択し、繰り返し、根気づよく理念について考える機会をつくることが大事と言えます。

②1度やったきりになってない?棚卸しは定期的に、仕組み化する

退職者、育児休暇や介護休暇をとる社員がいる場合は、引き継ぎをしたり、外部へ業務委託するなど複数方法があると思います。それを期に、業務の棚卸しをする企業も少なくないでしょう。しかし、ランクアップでは全社員が毎月、業務の棚卸しを行なっています。残業が続いているのはなぜか、早期にその理由を発見し、解決するようにしているのです。

毎月、というのがキーワードではないでしょうか。棚卸しを行なったあとしばらくは、すっきりと業務を行なうことができますが、そのうち段々とまた残業が増えてきて、これは自分がマネジメントできていないだけ!と抱え込んでさらに残業が増えていってしまう、、といったシチュエーションも少なくないのではないでしょうか。

大きな問題になったり、個人やチームが破綻してしまう前に、定期的な棚卸しの機会を設けることで、業務効率化を個人の課題ではなく、会社全体の目標としても取り組みやすくなるでしょう。

③新卒は残業OK!制度には例外を設けることもある

同社は2014年より、新卒採用を開始しています。残業を原則NGとしていますが、「新卒にも残業をさせないの?」という質問を受けるようです。その回答は、「新卒は残業OK」。20代のうちになるべく多くの経験を積み、スキルを高めることを推奨しています。長く働き続けたい女性を応援するため、新卒のうちは残業をしてでもたくさんのことを学び、吸収してほしいという思いを実践されているようです。

やはり新卒社員は、経験の豊富なベテラン社員と同じだけの時間を業務にあてても、早々追いつくことは難しいですから、納得です。社内のルールを作成するとなると、どうしても全員に平等と考えてしまいます。もちろん偏りはない方がよいですが、こういった新卒の残業など、会社のミッションや思いを実現していくために正当な理由があると考えられる場合、例外を設けることもあり得ます。制度づくりにも、柔軟な視点が必要と言えるでしょう。

まとめ

こんなにも、会社の成り立ちや、役員陣と社員との衝突についてさらけ出して書いてくれた書籍はほぼ見たことがありません。当時の社員の満足度調査の結果など、読んでいる私の胃がきりきりしてきてしまうほどです、、!笑
理想論的に、淡々とした業務改善術の言葉が並んだ書籍は目にしますが、実はそれをどのように自分の会社で用いるのかが最大の難関ですよね。この書籍はその点がとても親身であると感じます。実際はこうなんじゃないの、、?という疑問に、正直に、そして具体的に回答を提示してくださっています。

ポイントをおさらい!

  • ①ワークスタイル変革には、理念教育、文化の醸成がやはり必須。制度の整備も重要ですが、本質的な課題を見過ごさず、その改善に向けて長期的なスパンで取り組むことが必要。
  • ②残業を禁止にするだけでなく、業務の棚卸しといった残業を本質的に減らす為の仕組みを会社としてつくる。個人の課題だけにせず、日々の業務に組み込む。
  • ③制度は、「全員に必ずしも平等でなくてはならないもの」ではない。会社が最も大事にしたいことを実現するための手段であるべき。

今回のコラムでは、書籍のほんの一部の紹介になってしまいましたが、長時間労働となりがちな、ワークスタイル変革を模索する多くのベンチャー企業、中小企業の皆様にぜひ手に取っていただきたい書籍です。

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